賃貸物件を探しているあなたにお聞きします。
新居のガス料金について考えたことはありますか?
引越し後の生活費が予想以上にかかるとせっかくの新生活が苦しくなってしまいます。
そうならないためにも物件選びで気を付けたいのがガスの種類です。
都市ガスとプロパンガス、それぞれの料金体系の違いを知らずにプロパンガスの物件を選んでしまうと、ガス料金が高くなってしまうことも少なくありません。
都市ガスの物件とプロパンガスの物件を選択できるなら、都市ガスを使用している物件を選ぶことをおすすめします。
本記事では以下についてくわしく解説しています。
- 都市ガスとプロパンガスの違い
- 都市ガスとプロパンガスのメリット、デメリット
- 都市ガスとプロパンガスの料金比較
- 賃貸物件を選ぶときの注意点
都市ガスなら料金が安定していて、さまざまなガス会社から最適なプランを選べるため、ガス料金をおさえることができます。
不要な支出は減らして豊かな新生活を始めましょう。
都市ガスを選ぶべき理由
都市ガスとプロパンガス、どっちを選べばいいのかな?
ガスの種類が選択できるなら都市ガスの物件を選ぶことをおすすめするよ。
都市ガスは安い料金で利用できるので、生活費をおさえることができます。
またガス市場の自由化により、ガス会社を自由に選べます。より安い料金プランを提供しているガス会社を選べば、さらに節約することもできます。
でも災害時はプロパンガスの方が復旧が早いよね。
いつ起こるかわからない災害に備えて割高なガス料金を払い続けるのはもったいないよ。
確かにプロパンガスは災害時の復旧が早いというメリットがありますが、都市ガスに比べると割高です。
災害時の心配があるなら、携帯用のガスコンロを用意するなど、別の方法で対策するのがいいでしょう。
都市ガスが選べない地域の場合はどうする?
引越し先が都市ガスの供給が無い地域だったらどうすればいいの?
その場合はプロパンガスを選ぶことになるけど、物件選びの時にガス料金の詳細も確認しよう。
引越し先が地方の場合は都市ガスが供給されていないことも多く、プロパンガスしか選択できないことがあります。
プロパンガスの料金はガス会社によって自由に設定できるため、場合によってはかなり高くなることもあります。
そのため、物件の契約前にガス料金の詳細を確認し、ガス料金が極端に高い物件は出来るだけ避けるのが無難です。
都市ガスとプロパンガスの違い
都市ガスとプロパンガスって何が違うの?
供給方法と成分に大きな違いがあるよ。くわしく解説するね。
都市ガスとは
都市ガスはメタンが主成分の液化天然ガスだよ。
地下に埋設された配管を通して各家庭に供給されるんだ。
ガスを通す配管が設置されていない地域への供給はできません。
主に都市部で供給されていて、地方では供給されていない地域も多くあります。
プロパンガスとは
プロパンガスはプロパン、ブタンが主成分の液化石油ガスだよ。
各住居にガスボンベを設置して供給されるんだ。
ガスボンベが設置出来ればどこでも利用できるので、都市ガスが供給されていない地域でも利用できます。
そのため地方ではプロパンガスの物件が多いです。
ガスの種類の簡単な見分け方
都市ガスかプロパンガスってどうやって見分けるの?
不動産屋さんに聞くのが一番確実だけど、内見時に部屋の中でも確認できる方法を紹介するね。
ガス漏れ警報器の位置
- 都市ガス
メタンは空気より軽いので、漏れると部屋の上部に溜まります。そのため都市ガスのガス漏れ警報器は天井付近に設置されています。 - プロパンガス
プロパンは空気より重いので、漏れると部屋の下部に溜まります。そのためプロパンガスのガス漏れ警報器は床付近に設置されています。
ガスホースの色
- 都市ガス
白色のガスホースが使用されています。 - プロパンガス
オレンジ色のガスホースが使用されています。
ガス機器のシール
- 都市ガス
都市ガス用の機器には「都市ガス」「12A」「13A」と表記されたシールが貼ってあります。 - プロパンガス
プロパンガス用の機器には「プロパンガス」「LPガス」と表記されたシールが貼ってあります。
見分け方一覧表
都市ガス | プロパンガス | |
---|---|---|
ガス漏れ警報器の位置 | 天井付近 | 床付近 |
ガスホースの色 | 白色 | オレンジ色 |
ガス機器のシール | 都市ガス、12A、13A | プロパンガス、LPガス |
都市ガスのメリットとデメリット
都市ガスのメリットとデメリットを紹介するよ。
都市ガスのメリット
都市ガスのメリットは次の3つです。
プロパンガスよりも料金が安い
都市ガスはプロパンガスに比べて料金が安いので経済的な負担が少なく済みます。
都市ガスは契約会社を自由に選べる
2017年にガスの小売りが自由化され、ガス会社を自由に選べるようになりました。
さまざまなガス会社から料金やサービス面でより良いプランが選べます。
ガスボンベの設置場所が不要
都市ガスは地下に埋設された配管を通じて供給されるので、プロパンガスのようにガスボンベを設置するためのスペースが必要ありません。
都市ガスのデメリット
都市ガスのデメリットは次の2つです。
災害時の復旧がプロパンガスに比べると遅い
都市ガスの供給は地下に埋設された配管を使用します。災害で地下の配管が損傷した場合には修復作業に多くの工数が必要になるので、災害時の都市ガスの復旧には時間がかかります。
供給エリアに制限がある
都市ガスを供給するための配管網は、都市部では広く設置されていますが、地方ではまだまだ設置されている範囲が狭いのが現状です。そのため地方では都市ガスを利用できない地域も多くあります。
プロパンガスのメリットとデメリット
プロパンガスのメリットとデメリットを紹介するよ。
プロパンガスのメリット
プロパンガスのメリットは次の3つです。
配管敷設が不要でどこでも設置できる
プロパンガスは直接建物に設置するので、都市ガスのような配管網が必要ありません。
ガスボンベを設置するスペースがあればどこでもガスを供給できます。そのため都市ガスが供給されていない地方でもプロパンガスなら供給可能です。
熱量が高く火力が強い
プロパンガスは都市ガスよりも2倍以上も熱量が高く、火力が強いのが特徴です。そのため高火力を必要とする飲食店などでよく使われています。
しかし一般家庭で使用されているコンロではガスの使用量が調整されるので、火力の強さを活かせる場面はあまりありません。
災害時に復旧が早い
プロパンガスは地下の埋設配管を使用せず、建物に直接ガスボンベが設置されています。そのため災害時の修復作業も迅速に行えるので、都市ガスよりも早くガスの復旧ができます。
プロパンガスのデメリット
プロパンガスのデメリットは次の3つです。
都市ガスに比べて高い
プロパンガスは定期的にガスボンベの交換が必要です。交換作業には運搬費や人件費がかかるので、その分プロパンガスの料金は高めに設定されています。
プロパンガスの発熱量は都市ガスの2倍以上あるので、使用量は都市ガスの半分程度で済みます。しかしプロパンガスの単価自体が高いため、ガス使用料金はプロパンガスの方が高くなりがちです。
保証金が必要
プロパンガスは契約時に保証金が必要になります。
金額に決まりはありませんが1万円の場合が多いようです。
プロパンガスは初期費用として保証金が必要になりますが、ガス料金の滞納が無ければ退去時(ガスの解約時)に返却されます。
ガスボンベの設置場所が必要
プロパンガスを利用するためには、物件の敷地内にガスボンベを設置するスペースが必要です。
ガスボンベの設置は大家さんがすることなので、賃貸物件に入居する場合は入居者が注意する必要はありません。
都市ガスとプロパンガスのメリット、デメリットまとめ
都市ガスとプロパンガスのメリットとデメリットを一覧表にまとめたよ。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
都市ガス | ・プロパンガスよりも料金が安い ・都市ガスは契約会社を自由に選べる ・ガスボンベの設置場所が不要 | ・災害時の復旧がプロパンガスに比べると遅い ・供給エリアに制限がある |
プロパンガス | ・配管敷設が不要でどこでも設置できる ・熱量が高く火力が強い ・災害時に復旧が早い | ・都市ガスに比べて高い ・保証金が必要 ・ガスボンベの設置場所が必要 |
都市ガスとプロパンガスの料金比較
都市ガスが2017年にガスの小売りが自由化されるまでは規制料金だったので料金設定に国の許可が必要でした。
一方、プロパンガスは料金設定に国の許可が必要ない自由料金制なので、ガス会社が料金を自由に設定できます。
そのため都市ガスに比べてプロパンガスのほうがガス料金が高い傾向にあります。
ここでは一人暮らしを例にして都市ガスとプロパンガスの料金を比較します。
一人暮らしのガス使用量
- プロパンガス:5㎥
- 都市ガス :11.15㎥
一人暮らしのプロパンガス使用量は5㎥が一般的です。
プロパンガス5㎥を都市ガスに換算すると11.15㎥に相当します。
この違いはプロパンガスの熱量が都市ガスより2.23倍高いためです。
都市ガスでプロパンガスと同じ熱量を得るにはプロパンガスの2.23倍の量の11.15㎥が必要になります。
一人暮らしのガス料金
プロパンガスは都市ガスの約1.9倍のガス料金がかかります。
- プロパンガス:4,995円
- 都市ガス :2,624円
4,995円÷2,624円=約1.9倍
詳細は以下のとおりです。
都市ガスの場合
5㎥相当(11.15㎥):2,624円(2024年4月の東京都の料金)
出典:東京ガス
基本料金:759円
単価料金:167.28円×11.15㎥=1,865円
合 計:759円+1,865円=2,624円
賃貸物件を選ぶときの注意点
ガスは種類によって料金も大きく違うので生活費に影響します。
ここでは賃貸物件を選ぶ際の注意点について説明します。
注意点は次の4つです。
ガスの種類は物件ごとに決められている
都市ガスとプロパンガスでは供給方式が違うため、ガスの種類は建物の建設時に決められます。
供給方式を変えるには大がかりな工事が必要となるため、入居後に変更することは一般的にはできません。
そのため物件選びの段階で都市ガスかプロパンガスか、しっかり確認して物件を選びましょう。
不動産検索サイトではガスの種類を指定して物件検索ができるので、この機能も活用して理想の物件を探しましょう。
都市ガスはガス会社を選べる
2017年に都市ガスの小売りが自由化されました。
これにより、料金プランやサービス内容を比較して、自分に合ったガス会社を自由に選べるようになりました。
ただし物件によっては管理会社や大家さんが指定するガス会社を利用することが条件とされている場合もあるので、賃貸契約書の特約事項等をしっかりと確認しておきましょう。
\ ガス会社を比較する /
プロパンガスはガス会社を選べない
プロパンガスの場合はガス会社は物件の所有者が決定することが一般的で、入居者が自由に変更することはできません。
そのため料金やサービス内容に関しても入居者に選択の余地がありません。
プロパンガスを使用する物件に入居を検討している場合は、契約前にガス料金の詳細をしっかりと確認しておきましょう。
使用できるガス機器が違う
都市ガスとプロパンガスではガスの成分が異なるため、使用できるガス機器も異なります。
引越しで使用するガスの種類が変わると、以前の住居で使っていたガス機器が新居で使えなくなります。
そのため引越し先にガス機器を持ち込む場合は注意しましょう。
ガス機器のトラブルを起こさないために、物件選びの際は引越し先のガスの種類も確認が必要です。
まとめ|ガスの種類、ガス会社を上手に選んで快適な生活を送ろう
ガスの種類は賃貸物件選びにおいて重要なポイントのひとつです。都市ガスとプロパンガスでは供給方法や料金設定、利用可能な地域などが大きく異なります。
都市部への引越しを予定している場合は、できるだけ都市ガスの物件を選ぶことをおすすめします。
都市ガスはプロパンガスに比べて料金が割安で、毎月の生活費をおさえられるメリットがあります。
またガス会社も自由に選べる場合が多いので、さらに節約することも可能です。
一方で地方へ引越しの場合は都市ガスの供給エリア外になることも多く、プロパンガスしか選択肢が無いことがあります。
その際は物件の契約前にガス料金の詳細をしっかり確認しましょう。
ガス料金が高額になりそうな物件は避けるのが無難です。
賃貸物件を選ぶ際は、ガスの種類やガス会社も上手に選んで、快適な生活を目指しましょう。
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